パリオリンピックでレスリングフリースタイルの金メダリスト2人を育てた全日本の名コーチが大阪体育大学の監督に4月1日、就任しました。日本レスリング協会強化委員で元日本体育大学助教の湯元健一さん(40)。なぜ、40年以上五輪選手を出していない大体大に? 全国のレスリング部で唯一の中学?高校?大学の一貫指導に魅力を感じ、「世界で勝つレスリングを中学から大学まで一貫して教えたいから」といいます。

大阪体育大学レスリング部監督に就任した湯元健一さん
湯元さんは、和歌山県出身。日本体育大学で全日本選手権大会2連覇。日本体育大学助手として、2008年北京五輪で銀メダル。2012年ロンドン五輪は双子の弟の進一選手と兄弟で出場し、5位でした。
その後、日本レスリング協会では強化委員、日本体育大学ではコーチを務めました。パリ五輪では全日本フリースタイルコーチとして、男子の樋口黎選手(57kg級)、清岡幸大郎選手(65kg級)を金メダルに導きました。
大阪体育大学レスリング部は大阪体育大学浪商中学?高校のレスリング部とともに中高大一貫の指導体制を取り、高校体育館で、合同で練習しています。中学は昨年のU15アジア選手権で38kg級の古澤陸選手が優勝。高校も昨年、インターハイの団体で準優勝しました。大学は1984年ロサンゼルス五輪で石森宏一選手が7位に入りましたが、以後、五輪選手は輩出していません。

大阪体育大学レスリング部監督?湯元健一さん
湯元さんは大体大に移籍した理由について、「中高大の一貫指導は、他に日本にはない魅力。ナショナルコーチとして得た世界のトレンドや新しい技術、世界で勝つレスリングを中学、高校、大学の選手に教えていきたい」と語ります。
全日本フリースタイルコーチとの兼務のかたちで大体大の監督に就任し、レスリング部ゼネラルマネージャーの姫路文博氏と中学?高校の西尾直之監督、薮中右京コーチとともに協力し合って指導していきます。

大阪体育大学レスリング部監督?湯元健一さん
さらに湯元さんは、日本レスリング協会医科学委員として五輪選手を多数指導した大学レスリング部長の近藤衣美?スポーツ科学部講師(スポーツ栄養学)の存在を高く評価しています。「体重制限を伴う競技であり、栄養の知識は重要。中学?高校段階から学べる点は大きい」と語ります。
湯元さんは「目標はオリンピック選手の輩出だが、中高大一貫指導を充実させるには、大学をより魅力ある部にしないといけない。まずは西日本学生リーグ優勝をめざす」と抱負を語っています。
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